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2011/01/10

桂む雀三十周年

という公演に行ってきた。場所は天満天神繁昌亭。

桂む雀さんは故・枝雀さんの七番弟子。
私はいわゆる同学年で、二十代後半、大阪に住んでいた頃にファンになり、小さい落語会まであちこち追っかけてはアンケートを書いて足跡を残していた。
当時、朝日放送で月一回深夜にやっていた「枝雀寄席」の公開録画には毎月応募し、む雀さんの応援メッセージを書いていたところ、ある日む雀さんからお礼のお手紙とステッカーが届いてカンゲキした。

その後私は神戸に引越して大阪の落語会へのフットワークが悪くなり、休日にある公演ぐらいしか行かなくなった。更に、群馬に転勤したりなんかしたもんで、戻って来てからはもうDMが届かなくなってしまった。それでも米朝一門会のような大きな公演には行ったりしてたけど、さっぱりむ雀さんの公演の情報がない。おかしいなと思っていたら、2005年の3月に脳梗塞で倒れたのだということを知って、とても心配になった。

そして一昨年、兄弟子の九雀さんの「九雀通信」で、む雀さんがハーモニカ演奏や、落語の鳴物をやり始めたことを知り、少し安心したりした。

今回の公演は、81年1月10日に枝雀さんに入門してちょうど30周年ということで、兄弟子の九雀さんや、同期入門の落語家さんや、長唄、太神楽の方等が集まって、む雀さんの30周年と病気からの復帰を祝うという形のものだった。司会をABCアナウンサーの三代澤さんがやっていた。
110109_21220001む雀さんは、ハーモニカ演奏と、長唄で出演。
久しぶりに見るむ雀さん。想像していたより後遺症はきつかったようで、右半身はホンマにきかなくて、車椅子生活をしているらしい。言語中枢にも障害が残っているそうだ。
落語のみならず、三味線など、芸達者なむ雀さんだったのに、一瞬にしてそれを奪われてしまったことのショックは想像を越えるものであったであろう。

正直言ってハーモニカも長唄も、素人目にも、お金を取れるレベルではなかったけれど、この約6年間の努力を想像すると、拍手を送らずにはいられなかった。
私も病気しちゃったけど、む雀さんと比べたらへでもない。同い年のむーさんがこれだけ頑張っているのだから、私もねー、と励みにもなった。

110109_21230001_2それと、良かったのは、「お涙ちょうだい」的な内容にならず、他の演者さん達がとても楽しく盛り上げていたこと。これだけの演者さんと、それからキャパ200名の会場満員のお客さんを集めたのは、む雀さんの人柄とこれまでの頑張りがあってのことだなぁと思った。

翌日の今朝、ABCラジオの三代澤さんの番組でこの公演が紹介され、む雀さんの演奏が流されて、感動が蘇ってきた。
む雀さんには、いつかまた高座に上がって欲しいと願っている。実現すれば、体が不自由になった人達にとってどれだけ励みになるだろうと思う。でも、焦らずに、ボチボチと少しずつ進んでいって欲しい。

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コメント

読んでいて私も心の中で拍手を送りました。これまでのむ雀さんの葛藤をほんの少し想像するだけでも頭の下がる思い。周囲が明るく盛り上げてくれる、というのは人徳なんでしょうね。日頃の行い、大事だなぁ。

投稿: ごんムスメ | 2011/01/15 08:38

日頃の行い・・・私もそう思いました。
応援することしかできませんが、頑張って欲しいです。

投稿: いけハハ | 2011/01/16 01:26

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