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2011/03/17

日常のありがたさ

東日本大震災の被害は、私達が遭った阪神淡路大震災の何倍もの規模になりそうだ。
震災報道ばかりのテレビを見ていると16年前のことを思い出す。あの頃もきっと、被災地外の人達はこういうもどかしい思いをしながら見ておられたのだろうな、と、逆の立場になった今わかる。

16年前、私はもともと地震の日の2週間後に沖縄に行く予定をしていた。沖縄で一人芝居をしていた藤木勇人さんの公演を初めて見る為に。
被害の全体像を把握できていなかった最初の数日は、2週間もすれば行けるようになるものと思っていたが、空港まで行く手段さえ当分確保出来ない、それどころかまだ自宅にも帰れない状況で、旅行どころではないと認識して、5日目ぐらいに藤木さんの事務所にキャンセルの電話を入れた。急にキャンセルで申し訳ないという気持ちでいっぱいでかけたのだが、電話に出ていただいた藤木さんの奥様に、
「いけやんさん!無事で良かった!毎日心配して新聞の死亡欄を見てました。チケットキャンセル?当然でしょう?全然構わないので気をつけて下さい」
というような事を言われて驚いた。
まだ、一度もお会いしたことなくて、電話で予約を入れただけなのに、こんな心配してもらっていてとても嬉しかったし、旅行に行ける状況ではないということをとっくに理解していただいていたこともありがたかった。

そして、旅行など非日常的な事は、「日常」があって初めて楽しめるものなんだなぁとわかった。
普段は退屈だったり飽きてたりする「日常」。だから時々何かしら非日常的なものを求めて、遊びに行ったり、コンサートに行ったり、映画を見たり、旅行に行ったりする。
しかし日常が奪われてしまったとき、毎日がすべて非日常になり、なんとも退屈な日常でさえ有難いものだということを初めて知った。

今の被災地の方々は恐らく同じ思いでおられることだろう。関東の、鉄道や電気が止まったりしている地域の方も同様だろう。
私達に今すぐできることは義援金寄付ぐらいで、勤務先の会社が募っているのでそちらに参加した。会社は日用品製造なので、既に2便、宮城方面に製品を送ったそうだ。更に続便が岩手や茨城へも行くようだ。間接的にでもお役に立てたら嬉しい。16年前に皆さんにお世話になった恩返しが少しでもできれば。

犠牲者の方々のご冥福をお祈りすると共に、被災者の方々が少しでも早く日常を取り戻されることをお祈りしている。

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コメント

16年前、いけやんさんが無事だと知った時、嬉しかった。どんなに辛くても、生きているということは素晴らしいこと。笑ったり泣いたり喧嘩したりの、なんでもない日常も、健康も、命の大切さも、失くした時に初めて本当にその有難みがわかる。毎日当たり前のように電気をつけてドライヤーを使う。それが全部、誰かのお陰だったということが、やっとわかりました。

投稿: yukalla | 2011/03/17 23:14

>yukallaさん、
その節は大変ご心配をおかけしましたm(_ _)m

本当にそうですよね、失って初めて知る有難み。でも16年経って、それをまた忘れそうになっていた頃、思い出させてもらいました。

投稿: いけやん | 2011/03/18 00:44

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